ヤミ金と総量規制について

私たちは、お金を借りた時、借りた金額よりも大きな金額を、返しますよね。
もちろん、その差額がお金を貸した会社の儲けになります。
この差額のことを、「利息」といいます。
お金を人に貸して、利息をつけて回収する行為、これは、誰でもしていい訳ではありません。
この、金貸し業(お金を貸す仕事)をする為には、免許が必要です。
また、利息もいくらでも取れる訳ではなく、貸す金額に応じて上限が決められています。そして、貸す側もいくらでも貸せるわけではなく、その人の年収の3分の1以内しか貸してはいけない、など決まり事があります。

この決まり事は、きちんと法律で決められています。
ですが、この法律を守らずに金貸し業を行っているところがあります。
それが、「闇金融」、通称「ヤミ金」です。

では、なぜ違法であやしい感じのヤミ金がこの世に存在するのでしょうか。
それは、もちろん、そのようなヤミ金を必要とし、利用する人がたくさんいるからです。どうしてヤミ金から借りる人がたくさんいるのか、一番に総量規制という法律が理由だと考えられます。

総量規制とは、先ほども少しご紹介しましたが、お金を貸す会社は、原則として貸すお金の総額が、その人の年収の3分の1以内でないといけないという決まりのことです。
これは、お金を借りる人の借りすぎや、貸す会社の貸しすぎを防ぐためにあります。

ですが、ヤミ金は法律を守りませんので、もちろん総量規制も関係なく、お金を貸しています。
借りている金額の総額が年収の3分の1以上になっても、それ以上貸してくれるのです。ですから、総量規制にひっかかっても、まだ借りたい人はヤミ金を利用します。

また、銀行や消費者金融など、どこからも借りられなくなったという理由で利用する人も多いようです。

このように、ヤミ金は、借りられなくなった人に法律を犯してまでお金を貸してくれるのです。
ですが、もちろんそんな都合のいい話はなく、ヤミ金がお金を貸してくれるのには理由があります。
ヤミ金は、法律を守らないので、違法な利息をつけてお金を貸してきます。
例えば、「トイチ」といって、10万円を借りたら、利息は10日で1万円というものです。このように大きい利息をつけてでも、回収する自信があるからヤミ金はお金を貸してくれます。どのように回収するのか、例えば、その人に朝から晩まで働かせたり、詐欺や運び屋などをさせたり、というものです。

では、そんな違法なヤミ金からお金を借りることは、違法ではないのか、と思う方もいらっしゃるでしょう。
ヤミ金からお金を借りるのは、違法なことではありません。
また、ヤミ金から借りたお金は返す義務もないのです。
しかし、ドラマなどでのイメージもあるかと思いますが、ヤミ金の取り立ては精神的にも半端ではないストレスになるのと、そもそも返す義務がないことを知らない人は、高い利息でお金を返してしまいます。

ヤミ金から万が一、お金を借りてしまったら、まずは弁護士に相談をしましょう。
一番やってはいけないことは、そのまま利息付きで言われるままに返し続けることです。ヤミ金の利息は高いので、返し続けると、借りた金額よりも大きな金額になり、先が見えないほど膨れ上がってしまいます。
早めに弁護士に相談することが、解決の第一歩です。